IPMSM 8極48スロット 解析結果

以下に [CITE2025] により公開されている結果と,[paper2025] で紹介された解析結果をまとめます。

解析メッシュ図

技術報告 [CITE2025] では,解析メッシュ図は提示していませんが,ここでは例として [CITE2025][paper2025] で使用したメッシュ図を示します。

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図 101 IPM8P48Sモデル 2Dメッシュ図


無負荷誘起電圧

無負荷時の結果として,無負荷線間誘起電圧( \(2000 min^{-1}\) )の結果を示します。

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図 102 無負荷線間誘起電圧 (出典:[paper2025]

8P48S_back_emf.csvのダウンロード

技術報告に記載はありませんが,参考までに相誘起電圧の成分を示します。

また,コイル鎖交磁束をdq変換したd軸成分より算出したd軸磁石磁束は,148.19 mWbです。

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図 103 相誘起電圧FFT結果の比較

表 42 相誘起電圧FFT結果

次数

8極

1

121.02

3

6.29

5

4.65

7

4.94

9

5.17

11

11.77

コギングトルク

スロット高調波12次が主で,peak-to-peakは1.92Nmです。

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図 104 8極48スロットモータ コギングトルク (出典:[paper2025]

8P48S_cogging.csvのダウンロード

トルク特性

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図 105 8極48スロットモータ トルク―電流進角特性 (出典:[paper2025]

8P48S_T-beta.csvのダウンロード


ロータ表面形状がコギングトルクおよびトルクに与える影響

ロータ表面形状がコギングトルクおよびトルクに与える影響の検討例を示します。

磁石・フラックスバリア寸法 (出典:[CITE2025]) で示したフラックスバリアと磁石形状以外の形状変更として,ロータ表面の一部をへこませた(ノッチング)形状を図 ロータ表面のへこみ寸法(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]) に示す。これは参考にしたプリウス駆動モータでも取られている方法で,コギングトルクやトルクリプルの低減効果があることが知られています。図 ロータ表面のへこみ寸法(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]) はフラックスバリア近くにわずか0.2mmのへこみを筆者が適当に作成したものですが,図 コギングトルクの比較(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]) に示すようにへこみのないオリジナルのモータよりもノッチングを付けた方がコギングトルクは低減されていることが確認できます。具体的にはpeak to peakでおよそ37%低減されています。また図 12Arms, 20deg時のトルク比較(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]) に先程と同様の市街地走行を想定した動作点である平均トルクがほぼ15 Nmとなる電機子電流12 Arms,電流進角20degにおけるトルク波形を比較して示します。平均トルクの差は0.23%程度でよく一致しているのに対し,トルクリップルはpeak to peakで約11%低減されています。なお,このノッチングにより想定される全運転領域でトルクリプルが低減されるわけではなく,例えば電機子電流170 Arms,電流進角50degの条件では逆にノッチングありの方がトルクリプルは13.5%程度大きくなる結果となっています。

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図 106 ロータ表面のへこみ寸法(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]

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図 107 コギングトルクの比較(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]

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図 108 12Arms, 20deg時のトルク比較(8極48スロットモータ)(出典:[paper2025]