ホーム » 研究調査活動 » IoT時代を指向するBACSの構築協同研究委員会

IoT時代を指向するBACSの構築協同研究委員会

国内外の技術,規格及び,実施例の更なる調査研究を行い,IoT・クラウド環境にふさわしいBACSの通信方式,構成,機能,そこから生まれる新たなサービスと進むべき方向性について工学的に調査検討します。

調査期間:2016年10月〜2018年9月(2年間)
委員長:柳原 隆司(東京電機大学)
問い合わせ先


目的

平成28年5月に解散した「BACS/BEMSにおけるオープンなインターオペラビリティの構築協同研究委員会」では,BACS(Building Automation and Control System)におけるインターオペラビリティについて調査研究した。即ちBACSの基幹ネットワーク,フィールドネットワークに接続される様々な構成デバイス間の各レイヤのインターオペラビリティ(相互運用性:機能,モデル,サービス,通信プロトコル等)の構築を調査研究し,基本要件と方向性を確認した。しかし,IoT(Internet of Things)時代に対応したBACSのあり方については今後の課題とした。本委員会では,前委員会で課題として指摘したIoT時代のBACSの構築を目的とする。このための国内外の技術,規格及び,実施例の更なる調査研究が必須である。さらに,IoT・クラウド環境にふさわしいBACSの通信方式,構成,機能,そこから生まれる新たなサービスと進むべき方向性について工学的に調査検討する。そして,IoT時代の基盤となる技術を先取りした,より先進で,先端のサービス提供をめざしたBACSのあるべき姿と今後の進むべき方向を提案する。


調査検討事項

IoT時代を指向したBACSのあり方に関連する下記のテーマを調査検討事項とする。
(1) 電気事業者側からのDR(Demand Response)サービスを受ける需要家側BACSにおけるシングルESI-EMのBACnet/WSによるインタフェース
(2) DR発動時のBACSにおける削減可能負荷への制御と報告サービス
(3) IPフレンドリーなBACnet/ITのBACSへの展開
(4) クラウド活用BACSによるエネルギー統合管理
(5) IoT時代のエネルギーダッシュボードとしてのBACSの機能
(6) IoT時代のスマート設備制御方式(照明,空調DDC(Direct Digital Controller))
(7) IoT時代の通告(アラーム,イベント等)の処理


予想される効果

IoT時代のBACSはIPベースでインターネット接続されることは必要不可欠である。また管理対象も多様化,多量化する傾向にあり,さらにBACSを構成するデバイス,端末,センサ等がスマート化され,システムもより複雑化・複合化される。また電力逼迫時のDR発動時のBACS側の処理もIoTならではの手法で実行することが期待される。これらを実現するため,調査検討事項に示した7項目を調査検討する。これらにより,IoT時代のBACSの進むべき方向と技術のあり方を提示することで,需要家施設のエネルギーマネージメントの最適化,普及に寄与する。