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需要設備における電力品質向上を目指したメンテナンスのスマート化動向調査専門委員会

需要設備の電力品質向上を目指したメンテナンスのスマート化の現状や今後の動向を調査し,将来に向けた課題を明確化します。

調査期間:2017年4月〜2019年3月(2年間)
委員長:西村 和則(広島工業大学)
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目的

需要家において,電力品質を維持しつつ,需要設備を長期間にわたり安全安心に使用していくためには,設備構築時のライフサイクルを考慮した設計,日常や定期的に実施する適切なメンテナンスが重要である。最近では,設備のメンテナンスに対して十分な経験を持つベテラン技術者が不足しつつあると言われている。一方で,IoT(Internet of Things)の普及により設備稼働データの取得が比較的容易になりつつある状況もある。多くの設備稼働データをもとにした客観的かつ定量的な分析や診断を実施すれば,設備の実際の運用状況や性能が分かるため,省エネルギーなどの運用改善を図ることができる。さらには,ライフサイクルを通して設備を最も効率よく長寿命でかつ低リスクで使用することが可能となる。このように,データを需要設備の運用に活かしていくことをスマート化と捉え,需要設備の電力品質向上を目指したメンテナンスのスマート化の現状や今後の動向を調査し,将来に向けた課題を明確化する。


調査検討事項

需要設備のメンテナンスには,直接的な保守点検作業だけではなく,需要設備がどのように設計され運用管理されているか,事故防止のためにどのような保護方式を採用しているか等の,需要設備の周辺技術も密接に関わっている。そこで本調査専門委員会では,需要家側の視点に立ち,需要設備の以下の技術分野におけるスマート化の動向と課題を調査検討する。

(1) 日常点検,月次点検,年次点検等の保守点検技術
(2) 雷対策,自然災害対策等の設備保護技術
(3) 電圧変動抑制,高調波抑制等の電力品質適正化技術
(4) エネルギー管理技術,保守・データ蓄積技術
(5) 設計・施工管理技術

調査内容の例としては,遠隔監視等のデータ計測技術, AI(Artificial Intelligence)を用いたデータ分析技術やデータマイニング技術がある。


予想される効果

需要設備のメンテナンスに関わる技術分野のスマート化の現状を,需要家側の視点で調査した例はこれまでになく,調査結果から課題抽出と解決策を提示できれば,需要設備の計画・設計へフィードバックすることにより,需要家が電力品質を維持しつつ,長期間にわたり安全安心に使用できる需要設備の構築に貢献する。また,今後メンテナンス業務から新たな付加価値を生み出す検討を行うための基礎資料となる。