第10回 エネルギーワンダーランド
第2部「電力系統−進化する巨大電気回路」/東京電力株式会社 片岡 良彦
1.電力系統と周波数制御技術
電力系統は電力設備の集合体。複雑だが「ひとつの電気回路」に過ぎない。
電力会社の商品は電力。品質は電圧と周波数。品質が悪いと消費者機器が異常動作する。
需要は消費者の意志で変化。需要変動には中央給電指令所から各発電所への出力指令、需要予測、負荷周波数制御等により対応。
2.電力系統から見た自然エネルギー
エネルギー・環境問題への解として、自然エネルギーには大きな期待がかかる。
しかし太陽光発電、風力発電などは電力品質、特に周波数維持のための制御に貢献できない(電気の品質には悪影響の場合もある)。
「発電の環境性と電気の品質の両立」が大きな課題。
3.電力系統の「進化」
太陽光発電、風力発電などの電気の品質への影響は、エネルギー貯蔵技術により緩和・解消され得る(→エネルギー貯蔵技術の多くには第三部「パワエレ」が付き物)。
このようにエネルギー・環境問題を背景に、電力系統と周辺の技術は「進化」していく。
・既存系統側電源のCO
2
排出原単位の低減
・環境に優しい発電技術の開発、導入
・マイクログリッド技術の開発、導入
・新たなエネルギー貯蔵、電圧制御,潮流制御機器の開発,導入
・系統への負担を軽減する需要サイドの技術、等々
第1部「エネルギーと環境」
第3部「エネルギーの有効利用とパワーエレクトロニクス技術」