第10回 エネルギーワンダーランド
第1部「エネルギーと環境」/東京大学 工学部電気工学科 藤井康正
1.地球温暖化とCO
2
削減技術
エネルギー消費によるCO
2
排出量の推移
地球温暖化を緩和するための3種類の対策技術
2.エネルギーの利用効率の改善
エネルギー消費量の削減
熱の有効利用が鍵。熱エネルギーは温度が高いほど質が高い
ヒートポンプ、コージェネレーション技術の活用
エネルギー変換効率の改善
熱機関の熱効率を高める(コンバインドサイクル)
熱機関以外の変換技術(燃料電池)
3.CO
2
排出量が少ないエネルギー資源への転換
天然ガスは環境に優しい化石燃料
燃料種別のCO
2
排出量(石炭>石油>天然ガス)
化石燃料とその資源量・埋蔵量
再生可能エネルギーに未来を託せるか?
太陽光発電、風力発電の現在の発電電力量はまだまだ小さい
バイオマス(薪、稲藁、家畜糞、都市ゴミなど)の利用拡大も選択肢の一つ
地球温暖化問題における原子力の役割
多くの先進国で原子力の拡大は困難な状況にあるが、有望なCO
2
排出抑制手段の一つ
4.排気ガスからのCO
2
の回収と貯留
煙突の排ガスからCO
2
を回収する
CO
2
の回収は他の公害汚染物質の回収とは話が違う
CO
2
を回収するためには、大量のエネルギーと多額の資金が追加的に必要
生態系からCO
2
を貯留する
CO
2
(炭素原子)の貯留方法としては海洋処分、地中処分、リサイクル、植林などがある
別の環境問題を引き起こさないようにしなくてはならない
5.100年後までのコンピュータシミュレーション
不確実性に満ちた将来
「温室効果ガス濃度」と「気温上昇幅」
「気温上昇幅」と「温暖化によって発生する社会経済への悪影響」
将来世代への配慮が大きな課題
コンピュータシミュレーション
エネルギーモデル+経済モデル+気候変動モデル+温暖化ダメージモデル
シミュレーションの結果が示唆するもの
発電部門でのCO
2
排出削減の可能性は大きい
地球温暖化は緩和できるのか?
努力をすれば技術的には対応可能?
温暖化緩和のための経済的な負担は大きい
特効薬はない
第2部 「電力系統−進化する巨大電気回路」
第3部「エネルギーの有効利用とパワーエレクトロニクス技術」