|
目的/活動内容 |
1. 活動の趣意
長時間かけて蓄積した電磁エネルギーを、短時間でパルス的に開放して利用する手段をパルス電磁エネルギー技術と定義する。この技術を用いると、非常に大電力(パワー)の電磁パルスを発生することができ、高出力レーザ、大出力電磁波、高輝度の短波長光源、あるいは大出力の粒子ビームに変換することもできる。現在では、新材料開発、薄膜の形成、イオン注入技術をはじめとする産業分野、パルスX線源を用いた高速イメージングや照射用線源、殺菌・滅菌あるいは治療を目的とした生物・医療分野の技術、廃棄物処理やオゾン生成などの環境分野あるいは
核融合や加速器技術などのエネルギー分野、さらには岩石破壊などを目的とする土木技術の分野など、数多くの分野の基盤技術として利用されつつある。また、このような方法を用いて形成された物質はエネルギー密度の高いプラズマ状態をはじめ、通常の方法では実現できない超高圧、超高密度、強電磁場状態を実現できる。近年では、高フラックスの粒子ビーム源、中性子源、高出力短波長レーザ、GW級の大電力電磁波、高輝度の短波長光源、次世代の半導体リソグラフィー用短波長プラズマ光源あるいは先進型加速器など、先端的な応用の基幹技術としても研究開発が進められている。
この分野は欧米ではパルスパワー技術として確立した分野と独自の活動基盤を持っており、大規模な国際会議や研究会のキーワードとなっている。しかしながら、わが国ではいくつかの学会に分散して活動が行われており、知識の共有と体系化が遅れている。パルス電磁エネルギーあるいはパルスパワーをキーワードとして我が国では唯一の組織的な活動を行っている本技術委員会は、委員会活動を通じて関連分野の研究者と技術者の交流を促進して相互のレベルアップを図り、この分野の活性化と体系化を目指す。また、この分野の 研究開発と基礎的な基盤技術を支援するとともに、開発された技術や新しい知見を幅広い分野で有効かつ適切 に利用できるように、積極的な啓発活動を行ってゆく。
一方、パルス電磁エネルギー技術は体系化されはじめてから30年足らずであり、高速かつ大電力のスイッチング技術や制御性の改善など多くの開発課題がある。 また、高エネルギー密度状態を利用する先端的な技術開発は発展途上であり、世界的なレベルで開発競争が行われている。この分野にはまだまだ新しい研究開発が必要であり、柔軟な発想を持った若い力が求められている。確実な知識に加えて何ものかを求める強い意志があって、はじめて斬新な技術を生み出すことができる。本委員会では、研究会や国際会議を通じた情報発信に加えて、若手研究者の啓発と動機付けを積極的に行うことを主要な目標にし、世界をリードできる次世代の研究者・技術者の育成に心がける。 |
2. 委員会活動の目的
パルス電磁エネルギー技術委員会の活動目的は、次のとおりである。
(1) パルス電磁エネルギー技術の体系化
(2) パルス電磁エネルギーが利用されている分野間の交流
(3) 電気学会会員への情報と知識の提供
(4) 関連技術の社会への啓発活動
(5) 研究会・国際会議などを通じた国内外研究者・技術者の交流
(6) 関連分野の活性化と次世代の研究者・技術者の育成 |
3. 予想される効果
本委員会の活動により次のような効果が期待される。
(1) 新技術開発の促進
(2) 学会の活性化
(3) 国際交流の促進
(4) 関連技術の社会への還元
(5) 交流の促進と研究・教育の活性化 |
4. 技術委員会の取り扱う分野
パルス電磁エネルギー技術委員会の取り扱う分野は次のとおりである。
(1) 電磁エネルギーの基礎理論
(2) パルス電磁エネルギーの応用技術
(3) パルスパワーの発生技術、制御技術、計測技術
(4) パルス高電圧技術
(5) 粒子(電子・イオン)ビーム発生・輸送技術
(6) パルス電磁波発生技術
(7) パルス光源技術
(8) 高エネルギー密度状態の発生と応用
(9) その他関連分野 |
5. 技術委員会の具体的な活動
技術委員会は次のような活動を行う。
(1) 技術委員会の開催 (年4回程度)
(2) 調査専門委員会の設置
(3) 研究会(パルスパワー研究会等)の開催
(4) 関連技術委員会、他学協会との交流および海外の学協会との国際交流
関連技術委員会: プラズマ技術委員会、放電技術委員会
国内関連学会: プラズマ・核融合学会、応用物理学会、物理学会
海外関連学会: IEEE
国際交流: 国際会議 (例えば International Symposium on Pulsed Power and Plasma
Applications: ISPP 等) の開催および共催 |
|
|
|