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電力系統の標準モデル
更新日 2004/9/18
はじめに
電力技術のハードウェアの分野では,IEC,JEC,IS0等の企画の充実と統一が積極的に進められており,仕様や試験法の標準化が電気学会の活動の中で進められている。しかし,ソフトウェアの分野での標準化の活動は一部の組織で進められてはいるものの一般的に不十分である。すなわち,電力会社・メーカー・大学・研究機関はそれぞれ独自の電力系統解析ツールを開発・利用しているが,機器・制御モデル,機能,入出力形式などはほとんど統一が取れていない。また,これらの電力系統解析技術や系統制御技術などを評価するための標準系統モデルが重要であるが不十分である。

海外においては標準的な系統解析モデルとしてIEEEの118母線モデル,300母線モデル,New Eng1and 39母線系統モデルなどが著名であり,我が国においても新しい解析手法の評価などによく用いられている。しかしながらこれらの系統モデルでは,わが国の電力系統に特徴的に見られる系統現象が考慮できず,またわが国で使われているような制御系モデルが使われていないなど,わが国の電力技術者の二一ズに十分応えることができない状況である。

電力系統モデル標準化調査専門委員会(委員長:内田直之)は,電力系統の系統解析, 系統運用,系統制御,系統操作などの系統技術にかかわる研究者,技術者の共通の土俵となる標準系統モデルを作成することを目的として,平成9年4月〜平成11年3月まで活動し,以下の電力系統の標準モデルを作成した。
基幹系統モデル
我が国の電力系統は50Hz系統と60Hz系統に分かれており,系統構成上からも50Hz系統は関東平野のループ系統構成,60Hz系統は東西に長くのびた串形系統構成が特徴的であり,系統の特性も異なっているため,基幹系統モデルもそれぞれ別々に作成した。さらに系統規模についても基本的な多機系統を模擬する中規模の10機系統と大規模の30機系統を作成し,基幹系統モデルは全部で4種類となっている。

基幹系統モデルは,我が国の50Hz系統あるいは60Hz系統全体の系統特性や一般に使用されている制御系などが考慮でき,新しい電力系統解析ツールや系統制御技術などを客観的に評価することを目的にした標準系統モデルである。このため,使用した機器モデルや定数も潮流計算および安定度計算に必要なものに限定してしいる。基幹系統モデルの作成に当たっては,アンケート調査を実施し要望事項を反映するとともに,機器モデルや定数については電力会社をはじめ,大学,メーカなど国内で広く使用されている電中研の「電力系統動特性解析プログラム(Y法)」の標準定数を基本的に使用している。ただし,検討の過程においてY法以外の解析ツールでも支障なく解析できることを確認した。

基幹系統モデルデータのダウンロード (付録3の1機無限大系モデルを含む全モデルデータ)

2000/9/21改訂

UNIX tgz (tar & gzip) 形式 (漢字コード:EUC,改行コード:LF)
Windows 自己解凍形式 (漢字コード:Shift JIS,改行コード:CR+LF)

● 基幹系統モデルの概要
地域供給系統モデル
 地域供給系統モデルは,事故復旧アルゴリズム及び信頼度評価アルゴリズムの検証を主目的として作成した系統モデルである。研究者に実系統の実体を把握してもらうために実系統の一部を切り出した系統をべ一スに,

(1) 小規模水力電源を含む架空線系統
(2) 都心のオフィス街を想定した地中線系統
(3) 工業地域を含む架空線・地中線混在系統

の3種類を作成した。各系統モデルのデータとしては,系統接続情報,負荷,送電線および変圧器インピーダンス,開閉器の開閉状態などのノードブランチデータに加え,設備容量,復旧優先順位などを含んでいる。一部のモデル系統では,設備事故率,需要曲線,配電切替情報なども含んでいる。以上の系統モデルについて各種手法により解析をおこない標準モデルとして適度な難しさを持っていることを確認した。
報告書 補足および訂正事項 (2001/9/19追加)
地域供給系統モデルデータのダウンロード
Microsoft Excelファイル : 自己解凍 (*.EXE) 形式)
小規模水力電源を含む架空線系統
都心のオフィス街を想定した地中線系統
工業地域を含む架空線・地中線混在系統

(事故復旧検討用と信頼度評価検討用の2種類作成しました。配変2次母線までのデータ及び設備事故率のデータを揃えているかどうかが主に異なります。詳しくは,ダウンロード&解凍後,datalist.xlsをご覧下さい。)
地域供給系統モデルの概要
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