第42回電気技術史研究会

【委員長】 末松安晴(国立情報学研究所)

【副委員長】 柳父 悟(東京電機大学)

【幹事】 高橋正雄(東芝) 福井千尋(日立製作所)

【幹事補佐】 圓岡才明(東芝) 戸田明男(三菱電機)

 

【日時】 平成18年5月12日(金)13:00〜17:30

【場所】 電気学会第1〜3会議室

     (東京都千代田区五番町6-2 HOMAT HORIZONビル8階 TEL:03-3221-7313)

     場所の詳細はここをご覧ください。

【主催】 電気学会電気技術史技術委員会

【共催】 映像情報メディア学会 照明学会 情報処理学会 電子情報通信学会

 

【議題】 日本の卓越する技術の蓄積と公開

                   座長 奥田 治雄(湘南工科大学)

HEE-06-5 電気電子・情報関連5学会の技術史活動への取り組み状況

The Approach on the Technological History in and among the Five Electric and Information Related Japanese Academic Societies


奥田 治雄(湘南工科大学)

Haruo Okuda (Shonan Institute of Technology)

旭 寛治 (日立テクニカルコミュニケーションズ)

Hiroharu Asahi (Hitachi Technical Communications Co., Ltd.)

染谷 彰 (RKH研究所)

Akira Someya (Institute for Development of Human Resources and Know How)

鈴木 浩(GEエナジー)

Hiroshi Suzuki (GE Energy),

斎藤 洋(NTT未来ねっと研究所)

Hiroshi Saito (NTT Network Innovation Laboratories)

*大来 雄二(東芝総合人材開発)

Yuji Okita* (Toshiba Human Resources Development Corp.)


電気・情報関連の5学会,すなわち(社)映像情報メディア学会,(社)情報処理学会,(社)照明学会,(社)電気学会,(社)電子情報通信学会は,国立情報学研究所との共同作業で,1980年代の日本の卓越技術をデータベース化する作業を科学研究費補助金(科研費)の支援を得て,2003年度(平成15年度)から開始した。この共同作業は5学会が連携して作った電気技術史特別委員会で提案され、実現した。このような5学会連携活動と、それを可能にした各学会の技術史活動の歴史を報告する。


HEE-06-6 卓越技術データベースにおける基礎データ及びコンテンツ作成の検討

A study on collecting basic data and producing contents for DB-JET


*茶木 愼一郎(日本電信電話)

Shinichiro Chaki (NTT)

奥田 治雄(湘南工科大学)

Haruo Okuda (Shonan Institute of Technology)

旭 寛治(日立テクニカルコミュニケーションズ)

Hiroharu Asahi (Hitachi Technical Communications Co., Ltd.)

神谷 明宏(和光電材機器)

Akihiro Kamiya (WAKO ELECTRIC EQUIPMENT CO.,LTD.)

後藤 一敏

Kazutoshi Goto

松本 栄寿(日本計量史学会)

Eiju Matsumoto (SHMJ)

大来 雄二(東芝総合人材開発)

Yuji Okita (Toshiba Human Resources Development Corp.)

片山 紀生(国立情報学研究所)

Norio Katayama (National Institute of Informatics)

長谷部 憲次(東芝)

Kenji Hasebe (TOSHIBA)


映像メディア学会、情報処理学会、照明学会、電気学会、電子情報通信学会の5学会が連携して、1980年代を中心とした、日本の電気電子・情報関連卓越技術データベースの構築を進めている。この卓越技術データベースの構築を進めるに当たり、データベースの公開対象の規定、卓越技術の基礎データ作成規定、及び基礎データから公開するコンテンツ作成規定を行うことが、卓越技術データベースの統一性及び品質向上に向けた一つのポイントとなる。そこで、卓越技術データベースが対象者とする利用者を規定し、典型例の作成を行うことで、検討すべき課題を抽出することで行った、基礎データ作成規定、及び公開用コンテンツ作成規定について報告する。 公開対象の規定としては、専門向けと若い世代に技術に興味を持ってもらうための入門向けの2つとしていること。また、技術解説のコンテンツの分量としては、読みやすさのため1画面に収まる分量とすることとし、そのための基礎データの解説文の分量の規定を行っていること等の各種規定内容について報告する。


HEE-06-7 卓越技術データベースにおけるキーワードのあり方の検討

A Study on the keywords for Database on Japanese Excellent Technologies of Electric, Electronic and Information Area


*奥田 治雄(湘南工科大学)

Haruo Okuda (Shonan Institute of Technology)

旭 寛治(日立テクニカルコミュニケーションズ)

Hiroharu Asahi (Hitachi Technical Communications)

廣田 泰輔

Taisuke Hirota

美濃 由明(関西電力)

Yoshiaki Mino (The Kansai Electric Power)

茶木 愼一郎(日本電信電話)

Shinichiro Chaki (NTT)

片山 紀生(国立情報学研究所)

Norio Katayama (National Institute of Informatics)


卓越技術データベースの構築において、使い勝手の良い検索を実現するためにキーワードの統一がデータベース作成者、データベース利用者の双方にとって有用である。キーワードWGでは、「技術分野」「キーワード」のあり方およびデータベース公開時の名称について検討した。「技術分野」「キーワード」についてはデータベース作成時に技術分野、選択式キーワード、自由記入キーワードを指定することとした。技術分野はデータベース構築を共同で行なう5学会の研究分野にほぼ対応した、情報処理、照明、通信、電気・電力、電子・デバイス、放送および共通の7つとした。選択式キーワードは、188件のキーワードをカテゴリ(技術分野)で分類したリストを提示し、その中から10件以内を選択することとした。また、データベース作成者が検索でヒットして欲しい用語を自由記入キーワードとして指定することとした。データベース公開時の名称については、「日本の電気電子・情報関連卓越技術データベース(Database on Japanese excellent technologies of electric, electronic and information area、略称DB-JET)」を提案した。


HEE-06-8 卓越技術データベースのWeb提示方法

Presentation of Database on Japanese Excellent Technologies of Electric, Electronic and Information Area on the Web


山本 英雄(宇都宮大学)

Hideo Yamamoto (Utsunomiya University)

*山田 昭彦 (東京電機大学)

Akihiko Yamada* (Tokyo Denki University)

染谷 彰 RKH研究所)

Akira Someya (Institute for Development of Human Resources and Know How)

島田 重人(東芝)

Shigehito Shimada (Toshiba Corp.)

茶木 愼一郎(NTT)

Shinichiro, Chaki (NTT)

長谷部 憲次(東芝)

Kenji Hasebe (Toshiba Corp.)

大来 雄二(東芝総合人材開発)

Yuji Okita (Toshiba Human Resources Development Corp.)


電気系5学会(照明、映像情報メディア、情報処理、電気、電子情報通信)と国立情報学研究所が協力して、1980年代を中心とした日本の卓越技術をデータベース化するプロジェクトが、科学研究費補助金の支援を受けて進捗している。卓越技術データベースのホームページを作成して公開することを計画中であるが、この場合多くの人に分かりやすく魅力的な画面提示が望まれる。本プロジェクトではワーキンググループを編成してこの問題の検討を進めてきたので、これまでの成果を発表する。


HEE-06-9 卓越技術データベースの著作権

Copyright of the Database on Japanese Excellent Technologies of Electric, Electronic and Information Area


神谷 明宏(和光電材機器)

Akihiro Kamiya (Wako Electric Equipment Co., Ltd.)

筒井 忠雄(NHK)

Tadao Tsukui (NHK, retired)

旭 寛治(日立テクニカルコミュニケーションズ)

Hiroharu Asahi (Hitachi Technical Communications Co., Ltd.)

中村 正規(東京電力)

Masanori Nakamura (Tokyo Electric Power Co.)

茶木 愼一郎(NTTネットワークサービスシステム研究所)

Shin-ichiro, Chaki (NTT Network Service Systems Laboratory)

水橋 慶(電子情報通信学会)

Kei Mizuhashi (The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers)

*大来 雄二 (東芝総合人材開発)

Yuji Okita* (Toshiba Human Resources Development Corp.)

片山 紀生(国立情報学研究所)

Norio Katayama (National Institute of Informatics)


電気系5学会(照明、映像情報メディア、情報処理、電気、電子情報通信)と国立情報学研究所が協力して、日本の卓越技術を1980年代を中心にしてデータベース化するプロジェクトが、科学研究費補助金の支援を受けて進捗している。そのコンテンツは各学会から提供されるものになるが、写真など一部のデータはコンテンツ提供学会が著作権を保持していない、データベースおよびそれをウェブで公開する様式には新たに著作権が発生するなど、その権利処理には注意を要する点が多い。本プロジェクトではワーキンググループを編成してこの問題の検討を進めてきたので、成果を発表する。


HEE-06-10 ヨーロッパの博物館の情報発信について

On Information Transmission of European Museum


*永田 宇征 (国立科学博物館)

Takayuki Nagata* (National Science Museum)

松本 栄寿(日本計量史学会)

Eijyu Matsumoto (The Society of History Metrology)

土井 美和子(東芝)

Miwako Doi (Toshiba Corpration)


日本の卓越する技術をどのように発信するかを検討する上で、海外の状況、特に一般市民のアクセスが多い博物館でどのように対応しているかを知ることは大いに参考となる。本稿では、ヨーロッパの博物館の情報発信の状況について、英国のサイエンスミュージアムを中心にしながら述べることとする。サイエンスミュージアムは最近「Ingenious」と「Making the Modern World 」の二つのサイトを作った。その狙いとするところや作成のプロセスについて記すこととする。


HEE-06-11 米国西海岸におけるオーラルヒストリー調査報告

Survey on Oral History in West Coast of USA


*鈴木 浩(GEエナジー)

Hiroshi Suzuki* (GE Energy)

永田 宇征(国立科学博物館)

Takayuki Nagata(National Science Museum)


わが国の技術革新を記録する一つの方法として、オーラルヒストリーが着目されている。その先進国である、米国では、ある程度確立された手法が存在する。今回、米国西海岸で行なわれている、オーラルヒストリーの4つの活動を調査したので、その概要を報告する。対象は、パロアルト研究センター、スタンフォード大学、シリコンバレープロジェクト、シリコンジェネシスである。


HEE-06-12 わが国最初のコンピュータFUJIC誕生50周年を迎えて

The 50th Anniversary of the First Japanese Computer FUJIC


*山田 昭彦(東京電機大学)

Akihiko Yamada* (Tokyo Denki University)


わが国最初のコンピュータFUJICは、19563月に富士写真フィルム小田原工場で誕生した。レンズ設計の計算を自動化するために、岡崎文次がほとんど独力で作り上げた。FUJICは真空管1700本を使用した2進法3アドレスのコンピュータで、記憶装置には水銀遅延線を使用しているが、随所に創意工夫がみられる。確実に動かすことを第一目的にしたため、クロック周波数は30kHzと低速であったが、演算回路の並列化などにより乗算を高速化し、人手の計算の2000倍の能力を実現した。FUJIC2年半の間、社内外の計算に利用された後、早稲田大学に寄贈された。現在は国立科学博物館の常設展示のなかで実物が展示されている。FUJICの開発を振り返り、他のコンピュータ開発が難航した中でFUJICの開発が成功した要因を考察する。


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