98年度研究会要旨
発表番号 HEE-98-1
タイトル 地域社会における企業科学館の役割と変遷(東芝科学館の事例)
発表者 浅田靖之(株式会社東芝)
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東芝科学館は昭和36年(1961年)に東芝創業85周年記念事業の一環として,中央研究所が川崎市小向地区に新築された時に同じ建物の中に地域社会に貢献する文化施設として開館された。当時としては全国でも珍しい「企業科学館」として注目された。
   
発表番号 HEE-98-2
タイトル 日本工業大学工業技術博物館史
発表者 鈴木昭(日本工業大学)
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博物館設立の意図と開館までの経緯と開館から現在までの博物館の変遷を時系列順に述べ,次にこの博物館で試みられている教育について1〜2の事例につき述べ,最後に著者なりの博物館に対する考え方を示す。
   
発表番号 HEE-98-3
タイトル 欠番
   
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発表番号 HEE-98-4
タイトル 電気界の父「藤岡市助について」
発表者 佐山和郎(元岩国工業高校教諭)
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藤岡市助の足跡についてその概要を年代順に記し,岩国市民の取り組みについて述べる。
 
   
発表番号 HEE-98-5
タイトル 高周波加熱技術の変遷(其の3)
発表者 高橋勘次郎(東京電機大学)
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真空管式発信機,サイラトロン制御,陽極同調回路式,非同調高周波発信機,定置焼入,移動焼入,水圧式移動焼入機,プログラムコントロールシステム
   
発表番号 HEE-98-6
タイトル 無線電信講習所から電気通信大学まで(第2報)
発表者 田中正智(電気通信大学)
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第一報(「無線電信講習所から電気通信大学まで」電気技術歴史研究会(HEE-97-28)に引き続き,太平洋戦争中に(社)電信協會から逓信省に移管され,もっぱら陸・海軍の無線通信士の教育・訓練機関として位置づけられた講習所の歴史について報告する。
   
発表番号 HEE-98-7
タイトル ラジオ教育研究所の足跡(戦後のラジオ技術通信教育の歴史)
発表者 高田稔(元ラジオ教育研究所) 高橋雄造(農工大)
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ラジオ技術の通信教育の歴史について述べる。

 
   
発表番号 HEE-98-8
タイトル 戦後のラジオブームとパーツ屋の活動(大阪日本橋の事例)
発表者 中島裕喜(大阪大学経済学部・大学院)
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戦後復興期に生じたラジオブームとそれに伴うパーツ屋の諸活動を取り上げる。日本橋問屋街を事例にパーツ屋の仕入れ・販売活動を中心に考察し電子部品流通網の構築が如何にして可能になったかを明らかにしたい。対象時期は終戦直後から53年頃までとする。
   
発表番号 HEE-98-9
  ノベルティラジオの世界
発表者 和田秀敏(和田クリニック)
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ラジオらしくないノベルティラジオについて,特に真空管式ノベルティラジオについて,時計付きラジオ,宝石箱ラジオ,電気スタンド,樽,ピアノ,ボトル,本などのノベルティラジオのいくつかを紹介する。
   
発表番号 HEE-98-10
タイトル アルミ電解コンデンサ用アルミ電極箔の製造法の進歩について
発表者 永田伊佐也(日本蓄電器工業株式会社)
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電極用材料箔,拡面のためのエッチング法,耐圧性,安定性の良い表面膜を作る化成法及び安定化法の最近約50年間の進歩について述べる。
 
   
発表番号 HEE-98-11
タイトル 逓信総合博物館における「真空管のあゆみ」ミニ展示
発表者 岡本克子(逓信総合博物館) 小泉直彦(電子管・レーダー史研究家)
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平成9年10月1日より12月末日までの予定で「真空管のあゆみ」ミニ展示を開催したが,好評であったために平成10年4月5日まで期間を延長して展示した。詳細を報告する。
   
発表番号 HEE-98-12
タイトル 放送と博物館(放送博物館の軌跡と放送技術)
発表者 松本太郎(NHK放送博物館)
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NHKは放送開始30周年記念事業の一つとして放送資料館を設置する構想をまとめ,昭和30年1月に設立を正式に決定した。資料館から一歩進んで世界でも初めての放送博物館として広く一般に公開することにした。放送博物館の軌跡と放送技術について述べる。

 

 
発表番号 HEE-98-13
タイトル 高周波加熱技術の変遷(其の4)
発表者 高橋勘次郎(東京電機大学)
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高周波半田付,高周波ロー付け,電縫管溶接,高周波抵抗溶接法,高周波誘導溶接法,コンタクトチップ,鉄道用軌条,高周波管曲げ
 
   
発表番号 HEE-98-14
タイトル 方向性珪素鋼板発展の歴史(1)(珪素鋼の発明と圧延珪素鋼板)
発表者 坂倉昭((株)マグネテック)
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ファラディは1831年,軟鉄の環に2組の銅線を巻いた彼自身のオリジナルな実験装置を作って電磁誘導の法則を発見した。また珪素を加えると磁気特性が良くなることは英国のハッドフィールドにより初めて見いだされた。更に珪素鋼板については1900年に発見された。
   
発表番号 HEE-98-15
タイトル 電気試験所における材料加工研究の歴史(1948〜1968)
発表者 小林昭(HiMEP研究所)
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第15回電気技術史研究会(1997.9.9)で「電気試験所における電気絶対標準器類製作の歴史」と題して報告した。ここでは,ほぼ同時期に行った電気・電子材料加工研究成果について述べる。
   
発表番号 HEE-98-16
タイトル
 
「創造的失敗」から誕生した接合トランジスタ(接合トランジスタ発明50周年)
発表者 相良岩男(KOA)
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20世紀最大の発明となつた接合トランジスタは1948年にW.ショックレイによって発明され1998年は50周年にあたる。一体このトランジスタはどの様な環境の下で発明されたのであろうか。研究中,偶然に考え出されたものと考えがちであるが,そうではない。
   
発表番号 HEE-98-17
タイトル 無線電信講習所から電気通信大学まで(第3報)
発表者 田中正智(電気通信大学)
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敗戦にともなう社会的混乱の中で,講習所の伝統をいかに受け継ぐか,苦悩し揺れ動いた大学の歴史についての調査・研究結果を「無線電信講習所から電気通信大学まで(第2報)(電気技術史研究会資料HEE-98-6,1998年3月)に引き続き報告する。
   
発表番号 HEE-98-18
タイトル 中和処理による酸性紙の保存対策
発表者 大江礼三郎(大江技術事務所)
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紙の考古学,紙と筆記材料,紙の疎水性化,紙の酸性度,紙の劣化,中和処理による劣化抑制,今後の情報記録の保存
 

 

 
発表番号 HEE-98-19
タイトル 戦後日本に於けるダイナミック・スピーカの技術史(その1)
発表者 篠原弘明 市川秀一(フォスター電機(株))
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戦後のダイナミック・コーンの変遷の中で,特にコーン材料,製造法並びにそれらの特徴を中心に昭和10年頃まで振り返って戦後のダイナミック・スピーカの技術史を記述した。また,コーンの開発過程の理解を容易にため,コーン・スピーカの概要とコーンに要望される物性。
   
発表番号 HEE-98-20
タイトル テレビジョン技術史におけるアマチュアの役割(石橋俊夫追悼論文)
発表者 高橋雄造(東京農工大)
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JAT・TVK・RTAこれらの団体は,日本のテレビ受像機技術確立と受像機の普及に大きく貢献した。JATはアマチュア団体であるあるが,あとの2者もラジオ工作ファンというアマチュアの存在を基盤としていた。石橋俊夫はテレビ受信機の普及を推進した功労者である。
   
発表番号 HEE-98-21

 
TV技術史におけるアマチュアの役割とエレクトロニクス発展の要因について
発表者 曽田純夫(元中央無線株式会社)
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20世紀は能動素子の発明とラジオ・テレビ放送の開始によってエレクトロニクス技術が発達した時代であった。日本の場合,ラジオ放送もテレビ放送も開局から普及が本格化するまでに6年を要している。日本のエレクトロニクス産業が隆盛を誇るに至るまでの要因を考察した。
   
発表番号 HEE-98-22
タイトル 眞空管製造会社の変遷とラヂオの歴史の相互関係
発表者 宮川邦昭(日本施工)
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眞空管の裏面と言うか,違った側面より歴史を考察して見る事とし,「眞空管」「ラヂオ」の収集以外に会社名表示の記載されている元箱とか,無線雑誌の眞空管広告,業界消息の記事とか,年鑑,職業別電話帳ありとあらゆる資料を調査した結果数百社程の概略が判明した。
   
発表番号 HEE-98-23
タイトル ラジオ・テレビコレクターの見たテレビ技術史の断片
発表者 手塚則義(株式会社イメディア)
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鉱石ラジオから数えると40年,高校2年生のときに最初の静電偏向型テレビを入手してから33年になる。きちんと数えた訳ではないが概ねラジオ1500台,テレビ100台を収集手がけた。動態保存を旨としており,入手したものは極力オリジナルの状態に戻し動作させる。
   
発表番号 HEE-98-24
タイトル アメリカにおけるラジオ受信機のデザイン
発表者 大島泰彦(平岩建設)
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ラジオの登場とその発展は単に技術史上の出来事ではなく,当時の社会的状況と関わり合った生活史や文化史上の事件でした。アメリカのラジオデザインは回路技術や製造技術と共に消費文化の中の商品として変化したことを考えにいれなければなりません。

 

 
発表番号 HEE-98-25
タイトル 戦後日本に於けるダイナミック・スピーカの技術史(その2)
発表者 篠原弘明  市川秀一(フォスター電機(株)) 
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1960年から1984年までの25年内に於ける日本のダイナミック・スピーカの技術史の中で,ダイナミック・スピーカ用コーンの変遷(開発経過)を中心に記述する。また,1979年頃にコーン形スピーカの欠点を除去することを目的に平面形Hi−Fiスピーカが開発
   
発表番号 HEE-98-26
タイトル 小平記念館−日立製作所創業者・小平浪平の信念
発表者 安東泰隆(日立製作所日立工場)
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昭和26年11月に日立製作所創業社長である小平浪平が死去した後,日立社内で氏の事績を記念する事業が発案されたのを機に荒廃していた台地を「おだいら台」と改称して緑化整備し,昭和30年9月から約1年かけて建設された創業史博物館が小平記念館である。
   
発表番号 HEE-98-27
  無線電信講習所から電気通信大学まで(第4報)
発表者 田中正智(電気通信大学)
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第3報に引き続き,1960年代から80年代までの「大学」の歴史に加えて,狭義の情報通信の分野に限って独創的な研究の一部を紹介する。
 
   
発表番号 HEE-98-28
タイトル 東京高等工業学校の創立と3人の恩人
発表者 古橋好夫(KDD社友)
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東京高等工業学校の歴史は,東京職工学校の創立に始まる。このペーパーは東京職工学校の創立前後に焦点をおいて調査したものである。
 
   
発表番号 HEE-98-29
タイトル 高周波加熱技術の変遷(其の5)
発表者 高橋勘次郎(東京電機大学)
アブストラクト

 
疲労強度(繰り返し曲げ)の向上,コイルバネ,高強度ばね鋼線,プレストコンクリート法,PC鋼棒,高周波熱間転造歯車
 
   
発表番号 HEE-98-30
タイトル 方向性珪素鋼板発展の歴史(2)(方向性珪素鋼板の発明と展開)
発表者 坂倉昭((株)マグネテック)
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方向性珪素鋼板はフリーの研究者ゴスによって発明されたが,近代的な製造技術については,連続広幅タンデム圧延機の開発とともにアームコ社をのぞいては語れない。

 

 
発表番号 HEE-98-31
タイトル 日本へのインパルス・ジェネレータの導入史(ノート)
発表者 高橋雄造(東京農工大学)  千葉政邦(東京大学)
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日本でいつインパルス・ジェネレータが設備されたかに話題をかぎって第二次大戦前と戦中の時期のデータを中心に述べる。
 
   
発表番号 HEE-98-32
タイトル 総合電機メーカにみる戦後50年の技術変遷と景気変動の影響
発表者 岩本雅民(香川大学)
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総合電機メーカは電機学会が支える製造業である。同時に,戦後のわが国の技術発展を先導し経済成長を支えてきた。戦後50年にわたる総合電機メーカの歴史には技術変遷と景気変動が明確に見いだされる。両者は互いに影響しあいらせんを描きながら発展した。
   
発表番号 HEE-98-33
  わが国における電磁鋼板磁気試験法の開発の歩み
発表者 成田賢仁(元九州大学)
アブストラクト

 
珪素鋼板の磁気試験法の開発はその工業生産の開始と共に,また珪素鋼板の製造・開発はそれを利用する電気機器の進歩と共にあった。20世紀前半のわが国における電磁鋼板磁気試験法開発の歩みを概述した。
   
発表番号 HEE-98-34
タイトル 方向性珪素鋼板発展の歴史(3)(超結晶方向性珪素鋼板の発明と展開)
発表者 坂倉昭((株)マグネテック)
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AI入り1段冷延法による方向性珪素鋼板,超結晶方向性珪素鋼板の発明と展開,珪素鋼の発展を支えた学問的背景,将来の展望
 
   
発表番号 HEE-98-35
タイトル 日本とIECとの関係史
発表者
 
高木昇(東京大学名誉教授・日本電子部品信頼性センター)高橋雄造(農工大)
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我が国の電気工業は標準・規格についてIECから多くを学んでここまで発展したのであり,IECに多くを負うていることを忘れてはならない。我が国とIECとの関係の歴史を知ることは今後の我が国電気工業の進路にとって有用であると信ずる。IEC百年を前に。
   
発表番号 HEE-98-36
タイトル CW通信のあゆみとその未来
発表者 坂田正次(関東電気通信監理局)
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モールス符号による通信は1832年にモールス電信機から始まる。アマチュアにも似たマルコーニのイタリアでの活動から生まれてきた無線電信をアマチュア無線家たちがCW通信を楽しみながら守っていく。CW通信という用語もアマチュア達が用い今日まで受け継いできた。

 

 
発表番号 HEE-98-37
タイトル 無線電信講習所から電気通信大学まで(第5報)
発表者 田中正智(電気通信大学)
アブストラクト

 
無線電信講習所から電気通信大学まで(第4報)(手電気技術史研究会資料HEE-98-27)に引き続き1990年代特に学術研究と国際的な協力活動を中心に報告する。
   
発表番号 HEE-98-38
タイトル 電気学会創立者・志田林三郎の生涯
発表者 信太克規(佐賀大学)
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志田林三郎は今から100年以上も前の「電波」と言う言葉もない明治の始めに電気学会の創立に貢献し,現代の先端技術である高度情報化社会の実現を正確に予想した人物である。予見性はいかにして生みだされるのか,その謎を解く鍵を彼の生涯の中に時代を追って探してみたい
   
発表番号 HEE-98-39
  矢島彌太郎遺稿などに見る戦時の電波兵器用電子管の窮状
発表者 小泉直彦(電子管,レーダー史研究家)
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軍部主導のもとに活動した三つの委員会の概要を紹介した後,「電子管の歴史」に登場してくる順に「エーコン管」「万能五極管」及び「マグネトロン」の窮状を具体的に紹介する。
 
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