発表番号 |
HEE-97-1 |
タイトル |
生産統計,聴取者統計に見るラジオ受信機普及状況 |
発表者 |
岡部匡伸(アキュフェーズ株式会社) |
アブストラクト
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1935
年から1955年までの20年間は,日本のラジオの歴史の中でも放送開始10年目の普及期からトランジスタラジオ発売までの激動の歴史でもある。この時代
のラジオの生産及び普及の実態を調べる為に,通産省の生産統計及び放送協会の視聴者に関する調査結果を中心に分析した。 |
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発表番号 |
HEE-97-2 |
タイトル |
クラシック・ヴァルヴの歴史−真空管の誕生から引退まで− |
発表者 |
大塚久(真空管研究家) |
アブストラクト
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今世紀初頭に彗星のように現れ,近代科学の旗手としてエレクトロニクス時代を創始し,やがて半導体にその座を譲って表舞台から引退した(かにみえる)真空管の,最初期から最後期に至るサンプルを入手したので,これらの内の特記すべき真空管を中心に概要を報告する。 |
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発表番号 |
HEE-97-3 |
タイトル |
NHKにおける放送用アンテナの技術開発史について(1949〜1976) |
発表者 |
遠藤敬二,小林良治(株式会社 加藤電気工業所 元NHK) |
アブストラクト
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昭和20年代から昭和40年代にかけては,TV放送,FM放送が開始されており,衛星放送時代等,現在の高度情報化時代の骨格を形成した時代と言える。そ
こで,NHKが1949年から1976年までの間に開発した地上放送に関する放送用アンテナの技術開発史の一端を紹介する。 |
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発表番号 |
HEE-97-4 |
タイトル |
黎明期のファクシミリ |
発表者 |
小林一雄(元 松下電送株式会社) |
アブストラクト
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ファクシミリは,1843年の発明とされ,電気通信の歴史の上では電信に次ぐ発明で,電話より古い歴史を有している。真空管,光電管等の能動素子を使用した近代ファクシミリは1925年頃からで,それ以前をファクシミリの黎明期と呼ぶこととし,その間の状況を述べる。 |
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発表番号 |
HEE-97-5 |
タイトル |
「博物通書」の電信機について |
発表者 |
布施光男(法政大学) |
アブストラクト
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マッゴウァン著の「博物通書」は,中国人の知識人を前に電信機の原理を説明する為に著述された,科学啓蒙的な書と言われている。第1,2章の静電気,第3,4,5章の電池や電磁石に使われる電流,第6章の電気通信で構成されているが,第6章の電信機について考察した。 |
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発表番号 |
HEE-97-6 |
タイトル |
岩垂邦彦の生い立ち |
発表者 |
吉岡道子 |
アブストラクト
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日本電気の創立者岩垂邦彦の生涯について辿った。
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発表番号 |
HEE-97-7 |
タイトル |
海軍無線通信と少年電信兵について |
発表者 |
飛永源之助(海軍少年電信兵) |
アブストラクト
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明治34年日本海軍は各艦より選抜した下士官に無線電信の講習を実施した。これが海軍における最初の電信兵である。日本海軍無線通信と海軍少年電信兵に関する資料及び記録等を出来る限り収集して後世の人々にその実録を遺す。 |
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発表番号 |
HEE-97-8 |
タイトル |
近代日本における資格制度と工業化 |
発表者 |
新谷 康浩(東北大学大学院) |
アブストラクト
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本稿では基幹産業として最も重要な産業の一つであった電機産業を取り上げ,その分野の資格である電気事業主任技術者の資格の導入過程に着目する。 |
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発表番号 |
HEE-97-9 |
タイトル |
電気接触・機構部品の長期技術研究会の変遷史 |
発表者 |
眞野 國夫(眞野研究開発技術センタ) |
アブストラクト
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コンタクトは極めて重要な部品,材料,構造のため,種々の地道な研究開発が続けられている。従って電気利用当初からの技術の蓄積については,それなりの技術的歴史を有している。 |
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発表番号 |
HEE-97-10 |
タイトル |
東京帝国大学銀時計と電気工学 |
発表者 |
森 英夫(三菱電機) |
アブストラクト
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明治32年から大正7年まで東京帝国大学に優等卒業生の制度があった。この20年間の13名の電気工学優等卒業生の業績は素晴らしいものがあるが,この制度は,弊害の方が多いということで廃止された。我が国の教育制度における競争,試験,報償の歴史として参考になる。 |
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発表番号 |
HEE-97-11 |
タイトル |
電気試験所における電気絶対標準器類製作の歴史 |
発表者 |
小林 昭(HiMEP研究所) |
アブストラクト
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1946年10月開催の国際度量衡委員会デ,1948年1月1日から,国際単位を廃止して絶対単位に移行することが決議された。電気単位の維持が法律によって定められている電気試験所としてこれへの対応が迫られた。 |
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発表番号 |
HEE-97-12 |
タイトル |
アーカイヴズ:その特質をライブラリィおよびミュージアムと比較する |
発表者 |
安澤 秀一(駿河台大学文化情報学部) |
アブストラクト
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人類は人工的文化情報資源を共有化するための公共施設として,長い間に機能分化を遂げてきた三種の施設を設置し,一般利用に供している。ライブラリィ,ミュージアム,アーカイブスの3つである。近時,これらに加えてドキュメンテーションセンタが設置され情報を提供する。 |
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発表番号 |
HEE-97-13 |
タイトル |
米国・英国における文書史料施設(アーカイブス)の現状 |
発表者 |
松本 栄寿(横河電機) 高安 礼士(千葉県立現代産業科学館) |
アブストラクト
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米国及び英国の博物館・大学・学会・文書館等における古文書史料の保存と活動内容等を調査したので,その所在地,施設内容と史料の状況,情報提供活動の内容,利用方法及び利用状況などについて報告する。 |
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発表番号 |
HEE-97-14 |
タイトル |
エジソン文庫プロジェクトー電気技術史アーカイブの一例 |
発表者 |
松本 栄寿(横河電機) 高橋 雄造(東京農工大学) |
アブストラクト
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スミソニアン協会・ラトガース大学・エジソン文庫に滞在または訪問して,エジソン文庫プロジェクトの意義を知り,また,その進行状況を知ることができた。エジソン文庫プロジェクトは,電気技術史関係のアーカイブとして手本のひとつになると思われるので紹介する。 |
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発表番号 |
HEE-97-15 |
タイトル |
大北電信会社日本進出の経緯 |
発表者 |
柿原 泰(東京大学大学院・日本学術振興会特別研究員) |
アブストラクト
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大北電信会社とはどのような事業をするべく設立された会社なのか,その大北電信会社がどのようにしてシベリア・ラインと日本を接続する事業に乗り出したのか,電信をめぐる当時の国際情勢に留意しながら,それらの経緯を明らかにする。 |
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発表番号 |
HEE-97-16 |
タイトル |
通信するこころ(鉱石ラジオの不思議) |
発表者 |
小林 健二(アトリエ・アオ) |
アブストラクト
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鉱石ラジオは回路の一部に鉱物の結晶を用いた受信機である。英語ではCrystal Set結晶受信機と呼ばれ,どの国の言葉でもどことなく不思議な響きがある。このラジオは20世紀初頭の流転する時代に突然現れ,定着することなく,幻であったかの様に忘れられていった |
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発表番号 |
HEE-97-17 |
タイトル |
通信の分野から見たゾルゲ事件 |
発表者 |
坂田 正次(関東電気通信監理局) |
アブストラクト
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ゾルゲ事件で無線電信によるモスクワとの連絡はリアルタイムの情報伝達手段として重要な位置をしめていた。ゾルゲ事件を扱った著述は多いが,無線通信を専門分野に持つ著者がおらず,それを詳細検討した文献が存在しないため,今回調査しまとめた。 |
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発表番号 |
HEE-97-18 |
タイトル |
郵趣にみる原水爆 |
発表者 |
滝井 晴雄 |
アブストラクト
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核分裂の発見から原水爆実験にいたるフィラテリック・マテリアル(郵趣品)を少ないながらもご覧にいれつつ核エネルギー開発の歴史をかいま見ようというものである。主役はあくまでフィラテリック・マテリアルである。 |
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発表番号 |
HEE-97-19 |
タイトル |
高周波加熱技術の変遷(其の1) |
発表者 |
高橋 勘次郎(東京電機大学) |
アブストラクト
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高周波加熱技術の実用化が驚異的な早さで進んだのは戦中,戦後もその状況は異なるが何れも厳しい変化の要望の下に国中が結束してこれに対処した。その実用化の基礎となる金属材料,冶金,機械,計測器等の総合技術の推進に産官学の積極的な協力が注がれた。 |
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発表番号 |
HEE-97-20 |
タイトル |
欧米における電気工学教育の成立(ノート) |
発表者 |
高橋 雄造(東京農工大学) |
アブストラクト
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電気学会電気工学工業の歴史調査専門委員会の調査に関連して書かれたもので,電気技術者教育(19世紀後半から20世紀初頭にかけての,主として英・独・仏・米4ケ国について)にまとをしぼって,欧米におけるその歴史を紹介する。 |
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発表番号 |
HEE-97-21 |
タイトル |
複雑系として技術史を観る |
発表者 |
松本 吉弘(大阪工業大学・(財)京都高度技術研究所) |
アブストラクト
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技術史を構成するために参照した基本的知識から説き起こし,複雑系として技術史を取り扱うことの妥当性に対する予見を述べ,その後で,複雑系に従ってどのように技術史を構成するかを論じている。「曼陀羅」と称するハイパーメディアシステムについて説明している。 |
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発表番号 |
HEE-97-22 |
タイトル |
日本における戦前の演算子法研究の成果 |
発表者 |
谷本 茂(日本ヒューレット・パッカード) |
アブストラクト
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日本ではミクスンスキーの演算子法の概念に迫るところまで到達しながら,最終的には旧来の演算子法の枠を打破出来ず,まったく「新しい演算子法」を創造することはなかった。こうした事情を学会雑誌の討議を中心として追跡し「戦前の日本の独創性」に関する一断面を考察した |
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発表番号 |
HEE-97-23 |
タイトル |
医療放射線技術教育の階層的複雑型構造に関する史的考察 |
発表者 |
山下 一也(川崎医療短期大学) |
アブストラクト
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「藩校」・「寺子屋」教育に端を発した複線型の「学校」教育を細部にわたって検討し,明治期以降に固定された階層的複雑型学校教育に光を当てながら特異的に発生した放射線医療技術者教育の原型である「徒弟精度」や「講習会・研修会」を分析的に報告する。 |
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発表番号 |
HEE-97-24 |
タイトル |
「第二次大戦中の日本のレーダと関連兵器」(英語版)の共同編集 |
発表者 |
小泉 直彦(電子技術史研究家) |
アブストラクト
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「縦書き」の「読み物」として,必ずしも学術的には評価の高くない原著から,国際的に技術史料としても十分利用できる信頼性の高い科学文献へと「精練」するために払った努力の一端を紹介し,世界的視野に立脚した技術史のあり方を考える上での参考に供したい。 |
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発表番号 |
HEE-97-25 |
タイトル |
ベインのファクシミリの復元 |
発表者 |
宮澤 正幸(長野県工科短期大学校) |
アブストラクト
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画
像電子学会は創立25周年の記念行事として,ファクシミリの原点と言われるAlexander Bainが発明した装置を復元した。この復元の経験を元に
技術復元がマルチメディア実習に有効であったことを紹介すると共に復元活動のあり方などについて感じたことを整理する。 |
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発表番号 |
HEE-97-26 |
タイトル |
高周波加熱技術の変遷(其の2) |
発表者 |
高橋 勘次郎(東京電機大学) |
アブストラクト
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高周波加熱技術はその発達段階で国をあげての支援を得ることができ,急速な発展をみるようになった。
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発表番号 |
HEE-97-27 |
タイトル |
日本の初期コンピュータ開発と公共研究機関の役割 |
発表者 |
青木 洋(会津大学短期大学部) |
アブストラクト
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電気通信研究所と電気試験所の両研究機関が日本の初期コンピュータ開発に果たした役割とその影響について歴史的に検証した。
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発表番号 |
HEE-97-28 |
タイトル |
無線電信講習所から電気通信大学まで |
発表者 |
田中 正智(電気通信大学) |
アブストラクト
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社会とりわけ海運界の要請から1918年に無線電信講習所は生まれた。第一報としてその設立から太平洋戦争に至るまでの講習所の歴史について研究結果を報告する。 |
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発表番号 |
HEE-97-29 |
タイトル |
戦前・戦後の技術者運動 |
発表者 |
田中 浩太郎(日本電話施設) |
アブストラクト
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経済大国となった陰には戦前・戦中・戦後の技術者運動の余波が及んでいる。
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発表番号 |
HEE-97-30 |
タイトル
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エネルギー関連の歴史遺産・産業遺産の保存と公開(フランスの科学技術系博物館) |
発表者 |
水嶋 英治(日本科学技術振興財団・科学技術館) |
アブストラクト
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科学技術系博物館の系譜を探るためにフランスにおける科学技術系博物館の発展過程を述べたあと,フランスの文化政策,科学技術政策のなかで科学博物館がどのように位置づけられ,どのような役割を果たしているのかを考察する。 |
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発表番号 |
HEE-97-31 |
タイトル
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博物館管理とマルチメディアとアーカイブス(コロラド大学…講座とアメリカ博物館環境) |
発表者 |
松本 栄寿(横河電機) |
アブストラクト
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1997年6月にコロラド大学ボールダー校で開催されたミュージアム・マネージメント講座に参加した。アメリカの博物館がサプライサイドからデマンドサイドへ変革しようとする動きは科学技術博物館にとっても重要なポイントである。 |