社団法人 電気学会
平成22年電気学会 電子・情報・システム部門大会における
IEC/TC57標準化動向などに関する企画セッションの開催
電力用通信標準化委員会兼IEC/TC57国内委員会
委員長 小屋敷 辰次(電源開発(株))

電気学会 情報処理技術委員会
委員長 長谷川 義朗((株)東芝)
当委員会では,昨年度に引き続き,平成22年電気学会 電子・情報・システム部門大会において,IEC/TC57※1の標準化や規格活用の動向紹介と,国内関係者によるIEEE・CIGRE※2・実証プロジェクト等関連活動の紹介を行う企画セッションを開催いたしました。
※1 IEC/TC57(Power systems management and associated information exchange:電力システム管理と関連する情報交換):電力向けICTシステムの相互接続性/運用性の実現を志向した規格制定に主眼を置いて活動しているTC
※2 CIGRE:国際大電力システム会議:多様性に富んだ送変電に関する技術問題を討議する場として,1921 年に設立された民間の非営利団体。
1. 企画セッション名:情報・通信を中心としたスマートグリッド関連の国際標準化と海外動向(TC9)
(1) 座長:長谷川 義朗,小屋敷 辰次,芹澤 善積(IEC/TC57国内委員会幹事/(財)電力中央研究所),山岡 和雄(IEC/TC57国内委員会幹事/電源開発(株))
(2) オーガナイザ: 大谷 哲夫(IEC/TC57/WG10,13,14,19 国内作業部会委員/(財)電力中央研究所)
2. 開催日:2010年9月3日(金)9:30〜16:35
3. 場所:熊本大学(黒髪南地区)
4. 概要
 昨今,急激に盛り上がりを見せているスマートグリッドにおいて,海外では情報及び通信技術ならびにその標準化が重要視されています。しかし,国内では,これらの情報を体系的に説明される機会がほとんどありませんでした。そこで,本セッションでは,スマートグリッドにおいて中核的な標準化組織と位置づけられているIEC/TC57の活動を,IEC/TC57国内委員会のメンバーから紹介しました。さらに,関連する団体(IEEE,CIGRE)の動向についても,普段は電気学会電力・エネルギー部門にて活動されている方々からご紹介いただきました。
 また,日本発の国際標準として有名なUHV,NEDOにおけるスマートグリッド関連の実証研究,IEC/TC57が定めている主要規格の一つであるIEC 61850の適用事例について,それぞれ実際に携わっている方々からご紹介いただきました。
 本セッションには計12件の投稿があり,午前・午後を通して,常時50名近い(最大80名程度の)聴講者があり,質疑も活発に行われました。
 今回のセッションを通じて,電力と情報通信の技術者が互いに連携をとれる環境整備に貢献できたのではないかと考えております。IEC/TC57国内委員会及び情報処理技術委員会としては,今後もこのような公的な場を通じて,常に最新の動向をご紹介するとともに,関連する団体との連携を深め,国際規格の日本への適用にあたっての課題検討を行うとともに,日本の優れた技術力のグローバル展開支援にも貢献していきたいと考えています。
5. 講演一覧(全12件)
(1) 標準化等動向全般
(i) 欧米における標準化動向(欧米におけるスマートグリッド)
(ii) わが国におけるスマートグリッドに関わる制御通信システムの国際標準化への取り組み
(iii) IEC/TC57の活動報告ならびに日本委員会の対応
(2) 個別技術(規格,WASA,保護リレー)の動向
(i) IEC/TC57関連WGにおける標準化活動(WG10,WG13)
(ii) 広域送電系統監視制御WASAの国際標準化動向
(iii) IEEE PSRCにおけるスマートグリッド関連技術標準化の動向
(3) 海外動向,標準化に成功した先行事例
(i) CIGRE SC D2(情報システムと通信)の活動状況について
(ii) CIGRE SC B5の活動状況と国際標準化の動向
(iii) UHV技術の国際規格化
(4) 実証研究,規格の活用
(i) NEDOにおけるスマートグリッド実証研究
(ii) 国際標準の適用研究の例(変電所監視制御システム)
(iii) IEC 61850を適用した変電所自動化システム
<当日の様子>
オーガナイザによるセッション概要説明 講演の様子1:欧米における標準化動向(欧米におけるスマートグリッド)
講演の様子2:わが国におけるスマートグリッドに関わる制御通信システムの国際標準化への取り組み 講演の様子3:IEC/TC57の活動報告ならびに日本委員会の対応
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