社団法人 電気学会
平成21年度経済産業省産業技術環境局長表彰およびIEC1906賞の受賞
電気規格調査会
標準化推進室
去る平成21年10月15日,都市センターホテル3階のコスモスホールにて,平成21年度の工業標準化事業表彰式が盛大に挙行されました。日頃から工業標準化活動に顕著に貢献された方々を対象にした表彰です。今年度は残念ながら経済産業大臣賞の受賞はなりませんでしたが,経済産業省産業技術環境局長表彰に4名,IEC(国際電気標準会議)1906賞に1名の方が電気学会電気規格調査会から受賞しております。

経済産業省産業技術環境局長表彰に関しては,国際標準化貢献者賞として,IEC/TC17(高電圧開閉装置及び制御装置)の国内委員会幹事を務めている(株)東芝 豊田充氏,IEC/TC77(電磁両立性)の国内委員会委員を務めている(株)欧州技術支援センター ゲオルク ヘデリッヒ氏,IEC/SC22G(可変速駆動システム)の国内委員会幹事を務めている東芝三菱産業システム(株) 増田博之氏の3名の方が,また国際標準化奨励者賞として,IEC/TC8(電力供給に関わるシステムアスペクト)の国内委員会幹事を務めていた東京電力(株)村山潔氏が受賞されました。
豊田氏は,IEC/TC17(高電圧開閉装置及び制御装置)の国内委員会幹事を長年にわたり務め,国際提案に向けた国内意見の取りまとめを行うなど国際標準化活動に貢献され,特に,日本のガス絶縁開閉装置(GIS)の信頼性を支えている遮断器・開閉装置技術をIECに取り入れるために尽力するなどの貢献をされました。
ヘデリッヒ氏は,IECにおけるEMC(電磁両立性)に関する技術委員会であるTC77,SC77A,SC77B等に日本代表の一人として参画し,当該分野の日本のリーダーシップ,発言力の向上に寄与するとともに,EMCに関する国際規格への日本意見の反映に尽力され,また,TC77/WG16ではコンビナーを務め,EMC分野における測定の不確かさに関するTR作成を主導するなどの貢献をされました。
増田氏は,IEC/SC22G(可変速駆動システム)の国内委員会幹事を務め,国内意見の取りまとめに尽力するとともに,多数のIEC規格の審議に日本代表として積極的に参画されました。また,可変速駆動システムは生活・産業の重要な技術基盤であり,機器の性能・安全性の確保に対する日本の高い技術力の国際規格化を主導するなどの国際標準化活動の強化にも貢献されました。
村山氏は,IEC/TC8(電力供給に関わるシステムアスペクト)会議を日本に招致し,国内幹事として日本の優れた電力技術を広くアピールし,IECにおける日本のプレゼンスの向上に貢献するとともに,IECの標準電圧規格IEC60038の改定作業にエキスパートとして参画し,日本のUHVを標準電圧の改定案に盛り込むことに成功するなどの貢献をされました。

IEC(国際電気標準会議)1906賞には,電気学会電気規格調査会からはIEC/TC36(がいし)国内委員会幹事を務めている日本ガイシ(株) 鈴木良博氏が受賞されました。この賞は,IEC/SC役員のアドバイスを考慮してIEC/TC役員が選考したもので,多年IEC TC/SCの活動に貢献したことに対して表彰するものです。
鈴木氏は,TC36(がいし)及びそのSCに対して積極的かつ一貫した貢献をされ,特にTC36/WG 11においては,顕著な専門知識と,がいしの汚損設計および試験に関する偏りのない知識に基づいて,IEC 60815(汚損条件下で使用される高電圧がいしの選択と寸法決定)の改定に貢献されたことに対して功績が認められたものです。

写真1,2,3に,受賞された方々の集合写真を示します。

写真1. 産業技術環境局長賞 国際標準化貢献者賞受賞者
3列目左から2番目が豊田氏,3列目右から5番目がヘデリッヒ氏,3列目右から4番目が増田氏

写真2. 産業技術環境局長賞 国際標準化奨励者賞受賞者
後列右から2番目が村山

写真3. IEC1906賞受賞者
2列目右端が鈴木氏
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